@article{oai:cuc.repo.nii.ac.jp:00004293, author = {村田, 隆三 and ムラタ, リュウゾウ and MURATA, Ryuzoh}, issue = {4}, journal = {千葉商大論叢}, month = {Mar}, note = {P(論文), 江戸時代の貨幣制度は三貨と称せられる様に,金・銀・銭貨を使用していた。しかし江戸時代には,これら鋳貨以外に私札・藩札と呼ばれる紙札が,領域通貨として通用していたのである。本稿ではこの領域貨幣としての藩札の研究史をふり返り,今後の研究の方向を探ろうとするものである。近世初頭に於ける領域通貨としての紙札としては,畿内に於いて商人ないしは商人集団が発行した銀札・羽書と名づけられた私札が流通していた。そのほとんどは幕府による銭貨(寛永通宝)発行が軌道に乗る17世紀後半には姿を消し,これに代わる様に発行されたのが,各地の藩政府によって発行された藩領域通貨としての藩札である。藩札の発行理由としては一般的にa,藩経済の窮迫と,b,領内通貨の不足が挙げられており,aが主な理由であるとされているが,研究対象藩の経済発展の度合いや時期の違いによって,論者によって多少のニュアンスの違いがある。また,藩札の発行主体も,a,藩が直接発行する場合と,b,商人が請け負って発行する場合に別けられる。さらに,このようにして発行された藩札の流通を円滑にするため,藩政府は正貨の流通を禁じて藩札のみの流通を強制するなど,さまざまな規制をおこなっている。このような藩札の持つ種々の諸矛盾を集中的に表していると思われるのが,藩札を信用通貨とする論に対して,これを国家紙幣・政府紙幣であるとする批判が寄せられたことから生じた論争であろう。この論争に関しては結論は出ていない状態であるが,これ以後の藩札研究は地域的・時期的により緻密なものとなってきており,藩札の機能に関しても一様でないことが認識されつつあるといってよい。また,藩札の円滑な流通にとっては,それを受け取り,使用する領民の藩札に対する認識が決定的に重要となる。この意味において,コンフィデンスあるいはクレディビリティ(社会的信用もしくは社会的信認)という概念が,今後の藩札研究にとって有効なものとなるであろう。}, pages = {165--186}, title = {藩札研究史覚え書き}, volume = {40}, year = {2003} }